先日、出雲へ行ってきました。
出雲大社などの定番の観光地も廻ったのですが、
知り合いのNPOの方が運営する、
コワーキングスペースを見学したり、
雲南地方、木次の酒蔵や醤油屋さんの見学などもしてきました。
どこでも食品の作り手さん方にお会いし、
お話を伺うと、その物作りに対する深い情熱と愛情を感じ、
しみじみと感動するのですが、中でも最も感動したのが、
木次乳業と奥出雲葡萄園でした。
木次乳業の牛乳は、うちの近くの高級スーパーでも売られていて、
普通の牛乳の倍近くの値段なので、
いつもは買わないけれど、時々買って飲んでいました。
その度、普通の牛乳との味わいの違いにいつも感動していました。
その癖のない、爽やかながら味わい深いこくとのど越しの良さは、
他では味わえない特別感がありました。
実は、恥ずかしながら、この旅で木次に来るまで、
「木次」がどこにあるのかよく知らなかったのです。
案内していただいた、木次乳業牧場と奥出雲葡萄園は、
緑が眩しいほど美しく、穏やかな場所でした。
案内してくださった方に紹介していただき、
創業者の佐藤忠吉さんにもお会いし、お話させていただきました。
忠吉さん!忠吉さん!と皆から親しげに呼ばれている姿が印象的でした。
お部屋の壁一面に、所狭しと本が並んでいて、
その蔵書の山に圧倒されました。
日本で初めて低温殺菌「パスチャライズ」製法で牛乳を製造し販売し始め、
ずっと「百姓」という肩書の名刺を持ち続け、
農薬を使わない自然農法で人と自然をつなぐことに長年取り組んでいらして、
業界ではたいへんに有名な方であり、
そんな方にお会いできたのも何かのご縁と、
とても嬉しかったです。
「食べるということは、地球上の生物のいのちをいただくこと。」
「生産者自らが健康でなければ、まともな食べ物を供給できるはずがない」
などの佐藤忠吉さんのお言葉は、本当に考え深いものがあります。
自分も、食に関わる仕事をする中で、
これから何ができるのかを考えさせられました。
そんな今日も、木次乳業の牛乳をいただきます。
実際に産地を訪ねると、食べ物をいただく際に、
今まで以上に感慨深くなるものです。